地面と建物をつなぐ大事な役割… 失敗しない大切なポイント
住宅の基礎は 家が建つと よく見えない部分ですので あまり関心無いという方も多くみられます。
しかし 基礎は地面と建物をつなぐ重要な部分です!
その名の通り 基礎がしっかりしていないと いくらお金をかけても不安定な住宅しか出来ませんね…
またやり直しも利かない部分でもあります!
人間でいうと足の裏みたいなもんでしょうか…
今回は この基礎について検証してみましょう (^^)v
【 基礎選び 】
一般住宅における 基礎 は 主に 「 布基礎 」 と 「 ベタ基礎 」 の2パターンです。
どちらも 直接基礎 というジャンルの中に属しておりますが それぞれ異なる特徴 そして メリット・デメリットがありますね。
【 布基礎とは 】
布基礎とは 建物の外周と内部の主要な壁の下に沿ってコンクリートを立ち上げ 配置する基礎工法です。
ちょうど T の字を逆さにしたような形状で 頭の ー の部分(底板)が地面に埋まり ❘ の部分が間取りのように立ち上がります。
基礎の無い部分に防湿用コンクリートを入れてある場合もありますが これは湿気防止が目的で構造体の支持の役割ではありません…
要するに点と線で建物を支えている構造になります!
「 布基礎のメリット 」
・建築コストが低い
比較対象のベタ基礎に比べ コンクリート量や鉄筋量が少なく済み 施工も比較的簡単な仕組みの為 材料費や人工代を抑えることが出来ます。
・工期が短縮できる
布基礎は施工工程が短く 使用するコンクリート量も少ない為 乾燥養生期間も短縮出来ます。
・土地形状や設計プランに柔軟に対応できる
ベタ基礎では対応できない傾斜のある土地や地形・地盤 また 特殊な構造の住宅などでも 任意の位置に鉄筋コンクリートを設置できる為 柔軟な対応が可能となります。
「 布基礎のデメリット 」
・耐震性が低い
ベタ基礎に比べると 建物の外周と主要な壁の下にしかコンクリートが配置されない為 地震時などで発生した力を分散しきれないケースもあります。
接地面の少なさから安定性に劣る点は否めませんね!
・湿気対策への対応
布基礎は地面からの湿気が建物内部に入りやすいという弱点から 木材の土台部分などが腐食しやすいという問題が生じます。
防湿用コンクリートでの対応は必須ですね…
・シロアリ被害のリスク
上記同様 湿気の多い環境ではシロアリの活動が活発となります。
ベタ基礎と異なり隙間部分が多くなりますので シロアリ侵入のリスクは高く定期的な防蟻処理などの必要性は高いといえます!
【 ベタ基礎とは 】
ベタ基礎とは 鉄筋コンクリートで底面全体を覆うタイプの基礎工法です。
床下全体を鉄筋を組み込んだコンクリートで覆う為 高い強度を保つことが出来ます。
建物を床全体で支えるので 力を分散させることが可能であり軟弱地盤でも住宅を安定させられますね!
部分的な不同沈下を防げることが一番の特徴といえます…
「 ベタ基礎のメリット 」
・耐震性が高い
地震の揺れなどを建物全体で受け止め分散し 効率よく地面に逃がす構造の為 耐震性に優れています。
阪神大震災以降 主流になりつつありますね!
その後の東日本大震災などでも倒壊を免れた実績も耐震性の強さの証かもしれません。
・湿気対策の優位性
ベタ基礎は床下全体を鉄筋入りのコンクリートで覆っているので 地面からの湿気が建物に上がりにくい構造となっています。
木材の土台部分などの腐食やカビの発生を防ぐことが出来ますね!
・シロアリ対策の優位性
床下を完全にコンクリートで覆う為 シロアリの侵入経路を遮断出来ます。
万全の湿気対策は 同様に シロアリ被害の防御として非常に有効ですね!
「 ベタ基礎のデメリット 」
・建築コストが高い
布基礎に比べ 多くの鉄筋ならびにコンクリートを使用する為 材料費や人工代が高くつきます。
※おおよそ 1.3~1.5倍くらいと捉えておくのが一般的でしょう…
コスト増加に伴い 予算的に余裕が無い場合は慎重に検討する必要がありますね!
・工期が長くなる
鉄筋の配置など細かな工程が増え また コンクリート量も多くなることに伴う 乾燥養生期間も長くなることから 余裕をもった工期の設定が必要ですね!
突貫工事などには まったく向かないので注意しましょう…
・寒冷地での施工の不向き
冬季に地面が凍結するような地域では ベタ基礎での施工は向きません。
地面の中にある水分が凍結すると 鉄筋とコンクリートで一体となっている基礎部分 が押し上げられてしまい ひび割れなどが発生し 建物にダメージを与えることがあります。
凍結深度にもよりますが 寒冷地では布基礎のほうが有効な感は否めませんね!
■基礎選びのポイント
布基礎とベタ基礎のメリット・デメリットについて検証してみました。
どう選択したらよいのか ?
迷うことかもしれません…
総評として ポイントを挙げてみることにしますね!
1. 地盤調査結果後の状況判断
建築前に地盤調査を行なうと思います。
地盤が緩い地域では やはり ベタ基礎での採用が望まれます。
耐震的なメリットはどうしてもベタ基礎に分がありますので 調査結果での地盤改良工事ならびにベタ基礎判定などの指示に従って肝心かなめな基礎工事は取り行うことは必須ですね!
2. 土地の状況での判断
上記と被りますが 地盤が弱い地域や 地震が多発する地域 ではベタ基礎の選択が有効です!
逆に安定した強度が保てている土地や 斜面や特殊な形状の土地などでは 布基礎での対応もよいかと思います。
3. 建築予算での検討
ベタ基礎は布基礎に比べ どうしても費用が高く付きます。
土地の状況次第ではありますが 建築会社と予算も含めた中での選択も考えられますね!
4. ランニングコストの考慮
シロアリ防蟻処理など 長期的にみて ランニングコストが掛かりますので 建築時でのコスト削減だけにとらわれず 引渡し以降の費用についても考慮する必要性がありますね…
基礎は住宅における最重要な構造物です。
災害に強く 快適な暮らしを続けるために 選択の重要性は高いものといえます…
地盤調査結果を最優先に考慮し 地域性や土地の状況など さまざまな観点から 基礎選択することが大事ですね (^^)/
やり直しの利かない 失敗は絶対に避けなければならない 基礎工事
布基礎やベタ基礎 選択以外で 最も大事な重要なこととして…
私的ではありますが 建築業者に 養生期間をどれだけ設けるのか を必ず確認して頂きたいと 切に思います。
ローコストなどの薄利多売傾向で 工期をとにかく短縮させるケースでは 養生期間を十分に確保せず 早々に型枠を外し 土台や骨組みの圧で 基礎の立ち上がり部分が膨らんでしまい 後にクラックなどが入ってしまうことも見受けられます。
素人目には 見分けがつかないかもしれませんが こういう ちょっとした雑な施工 で せっかくの住宅が欠陥になってしまうのは 非常に淋しいことです!
工期をカットされないよう 今回 読んでくれた みなさんは ぜひとも 建築業者に 基礎の養生期間の確認をしてみて下さいね …
失敗しない家づくりの最重要ポイントですよ (^^)/
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