地震や災害に強い家づくり… 調査はやらねばなりません!
地盤調査について…
どんなに耐震性能の高い家を建てたとしても それを支える地盤が弱ければ その上に建つ家が 揺れたり 歪んだり 沈み込んでしまう場合 があります。
そうならないために 家を建てる前には 地盤調査を行ない 必要に応じて改良工事を実施します。
実は 地盤調査は法律で義務化されているわけでは ありません (^^;
ただ 住宅瑕疵担保履行法 が施行されてからは 瑕疵担保保険の申込みの際に地盤調査報告書の提出が必要なため 基本的には必須事項となっておりますね!
※住宅瑕疵担保保険についての解説は 既に 投稿させて頂いておりますので ぜひご覧になってください (^^)/
地盤調査にて軟弱な地盤と判定された場合は そのレベル具合に応じて改良の工法が決められます!
おもに下記の3種類の工法がありますので押さえておきましょう…
【 表層改良工法 】
表層改良工法とは 軟弱地盤が地表から 2m程度の深さの場合に可能となる工法で セメント系の凝固剤を土壌に混ぜあわせて固め 強固な地盤を作る改良工法です。
費用的にも最もリーズナブルになります…
【 柱状改良工法 】
柱状改良工法とは 円柱状に地盤を固めた改良杭によって建物を支える工法で 軟弱地盤の深さが 地中2~8m程度の場合に用いられます。
地中に直径60cm位の穴をあけ 良好な硬さの地盤までの深さで掘っていきます…
地盤を掘る過程でセメントと土を混ぜて撹拌し 円柱状の硬い柱を築きます。
要するにセメントの柱をつくって住宅を支えるような感じですね!
私はこの工法で改良工事を行なうパターンが一番多いかなぁ~ たまたま だけど…
【 鋼管杭工法 】
鋼管杭工法とは 軟弱地盤から岩盤などの硬い支持層まで 小口径の鋼管を杭状に貫入させて建物を支える工法です。
30m近くまでの深さまで対応可能で軟弱度の高いケースでもリカバー出来ます。
他の工法よりコストが高くつくのが難点ではありますが 残土の排出が無い点や地盤を乱さず高い支持力を得られるなど優れた工法ですね!
似たような方法で 環境パイル工法というやり方もあります。こちらは鋼管ではなく 松杭などを使用して環境にやさしい自然素材を使う工法です。長さに限界がありますので 軟弱地盤が深いケースには向きませんけどね…
< 注意点 > ここは押さえておきましょう ‼
①地盤調査は必ず間取りが決定してから実施してくださいね!
地盤の具合を 早くそして 先に 知りたい という気持ちはわかりますが 配置のズレや間取りの変更の場合は 計測のやり直し となりますので 設計確定後が原則 ですよ!
②地盤改良の工法の選定は調査結果後にならないと決定できません!
地盤改良の正確なお見積りや費用については 調査結果後 でないと算出できませんので気を付けましょう。
③施工会社によって地盤改良の費用が異なります!
当然ですが 材料の単価や人件費が各社さまざまです。経費の乗せ方も違ってきます…
また住宅の工法によっても(木造・鉄骨・コンクリートなど) 家の加重が違います ので改良判定具合や工事内容も変わってきますよ!
地盤改良工事はかなり高額な費用が発生します。
土地をこれから検討 購入 される方は地盤の頑丈な地域などの土地を選ぶことでリスクは軽減できることでしょう。
私たち建築業者は 当該建築地の地盤の近隣データを調達および御提供することが出来ます。
ある程度の地盤の具合の予測までは事前につかむことは可能なことです。
ただし 隣地の地盤に問題がなくても 自分の土地では改良が必要となるケースも多々あるんですねぇ…
私も長年 この仕事していますので 今まであったイレギュラーなケースとして…
昔 建売で購入した住宅の建替えの際に それ以前の建物の残骸が地中に埋まっていた! とか 建物の下にかなりの量の古タイヤが埋まっていた! など 何も知らずに 産業廃棄物の埋められた地上に長年住まわれていたお客様に何回か遭遇しました。
いい加減な建売業者の家を購入して 長年経過してから騙されていたことに気付くパターン!
だいたい倒産とかして今は存在していない業者ばかりですけどね…
地盤改良費は 請負契約後 そして 住宅ローンの本申し込み審査実施後に発生します。
建築業者側の立場からすると 改良判定の際は必ず必要な当然の費用なんで あとからグズグズ言われても困る! とか 地盤が悪いのは建築業者には責任ないわ! と 皆 だいたい 内心では そう思っていますよ (^^;
高額な費用が待ってる みなさんは それどころではないんだけどね…
マイホーム新築工事を検討する際は 事前の資金計画の際に 予算計上をしておくことが大切です。
ギリギリで苦しくても 予算に算出しましょう!
また 出来ることなら 契約前 に建築業者に事前に近隣データを提示してもらい おおよその改良費を予測してもらうことをおすすめします。
私はいつも 初回のプラン・見積りと一緒に近隣の地盤データを付けて 改良費を予算に組み込んで提案してますよ!
なぜ 契約前 かというと 一部の建築業者の中には 契約を勧誘する際に 少しでも建物価格を安く提示して 有利に見せかけ 契約後の 事後発生する地盤改良費など お客様には わかりにくい項目 に利益を大きく上乗せするなどの手段で取り繕う様子を 同業者として 実際よく目にするからです!
建築業者を慎重に選ぶことは当然です。でも値引きしてもらったとか 思ったより安く見積りを出してもらったとか 喜んでいても このような実態もありますので 正しい判断かどうか よくわかりませんね…
今回取り上げた 地盤調査や改良費など 契約後に発生するリスクも 事前に予測して 余裕を持った資金計画を考えることは 失敗しない家づくり には必須です ‼
必ず契約前に… お忘れなく (^^)/
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